ksの雑記

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リカーブからコンパウンドに転向したい!でもどうする?③

 

どうもksです。

 

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前回です。↓

ks-archery.hatenablog.com

 

今回はスタビライザーと矢について解説していきます。

 

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スタビライザー

一回目の記事でも書きましたがスタビはリカーブから流用できる可能性のある弓具です。

私もコンパウンドに転向したばかりの時はリカーブで使っていたFIVICSのCEX5とCEX7を酷使していました...。

ただスタビの強度とネジの径は注意しなければなりません。

 

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一般的なリカーブ向けのスタビは主に最高でも40ポンド台半ばぐらいまでの使用を想定して作られています。(多分)

しかし競技用コンパウンドは男性であれば50ポンドは出て当たり前、ウェイトガン積み、というような世界なので、リカーブ向けを長期間使っていると根本のネジが折れる、ロッド部分がブッシングから抜ける、などなどあると思います。

対してコンパウンド向けスタビはそれらの各部分が強化され、振動吸収材などが封入されていたりします。

コンパウンド用スタビはそれなりのお値段がしますがそれなりに高性能なので、自分の使う弓のドローウェイトや射ち感の好みに合わせて選択してみてください。

 

最近ではリカーブ、コンパウンド問わず使用できる高性能なスタビがラインナップされています。将来コンパウンドへ転向を考えている人はそれらのスタビを使ってみてもいいかもしれないですね!

 

ネジ(ウェイト)

次に注意すべき点としてネジの径です。

コンパウンドでは弓本体がそれなりに重いので、バランスを取るためにはウェイトを多く積む必要があります。しかし通常のウェイトでは積めば積むほどウェイトが弓から離れていくため、飛び出した弓の挙動に影響が出ます。そのためディスクウェイトが主流となっている訳です。

 

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なんですがまぁ、ディスクウェイトが厄介で接続ネジの径が主に1/4インチと5/16インチの2種類に分かれています。

なので使っているウェイトとスタビのネジ径は一致させておかないと変換ネジを用意する必要が出てきます。変換ネジを挟むとその部分のネジの強度が下がるので、その場合ウェイトを大量に盛るのはおすすめしません。

 

 Vバー(サイドマウント)

ここまで「リカーブのスタビ類はそのまま使える!」と言ってますが角度が固定されているVバーは使えないと思ってください。

最近のコンパウンドのスタビセッティングの流行りはサイド一本出しです。弓自体があらかじめそのようなセッティングになるように設計されていることもあります。

そこで必要になるものがサイドマウント(サイドブラケット)です。これがないとスタビの角度調整ができずに四苦八苦することになるので買うことをお勧めします。

 

 

ここでは基本的に製作した矢を50mで用いることを前提に話を進めます。

 

皆さんはリカーブで何のシャフト使ってますかね?たぶんACEやX10などを使ってる人も少なくないと思います。

じゃあコンパウンドでそれらの高価格で高性能なシャフトを揃える必要があるかというと、答えはNOです。

まぁ、これはコンパウンドに転向してどれぐらいのレベルを目指すかにもよると思います。

もしリカーブで使っている矢がコンパウンドに流用できるスパインであれば無理に揃える必要はありません。しかしコンパウンドではリカーブに比べ発射時に瞬間的に強い力がシャフトに加わるため、少しのクラックなどでも破断などの原になります。

 

長期間リカーブで使いこんで痩せた矢を流用するのはおススメしません。

 

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シャフト

コンパウンド用シャフトを選ぶとき、性能で言えばX10プロツアーの一択です。しかし、個人的には全日本大会などを目指す場合でも、これらの高性能シャフトは用意しなくて大丈夫だと思います。 

裏を返せばオールカーボンのそれほど精度の高くないシャフトでもチューニング次第で点数が出る、ということです。

 

それはいくつか理由があります。

  1. コンパウンドではリカーブと違い50mを射つので弾道が低く、細さのアドバンテージが少ない
  2. リリーサーを使うのでパラドクスの影響が少ないため、精度が低くてもある程度ミスを許容してくれる

コンパウンドに転向する人から矢の選択について相談を受けることがあるのですが、私は大抵1ダース1万円台の真直度±0.03インチ(V3グレード)のシャフトをおススメしてます。

リカーブではあまり馴染みのないEASTON以外のメーカーもコンパウンドでは多く使われ、実績を残しています。

 

具体的に国内で手に入りやすい商品名を出すとすればこれらのシャフトです。

  • EASTON Carbon one
  • GOLDTIP Pierce Platinum
  • VICTORY VAP(V1、V3グレード)
  • SKYLON Brixxon

この4つのシャフトは0.166径(シャフト内径が0.166インチ)と呼ばれるジャンルでACEやACGと同じ太さです。

この辺りのシャフトであれば趣味と競技のどちらでもバランスよく安全に使えると思います。ただしX10などのアルミコアシャフトのような耐久力はないので必ず1シーズンごとに買い替えてください

また転向後ある程度のレベルに達したときは更にグレードの高いシャフトにステップアップするのもいいと思います。

コンパウンド向けシャフトの中にはハンティングやフィールドで使うことを前提にした中口径オールカーボンシャフト(0.246径)もラインナップされてます。このようなシャフトを50mで使うと微風でもかなり流されるので不利です。

転向後フィールドをメインに考えているのであれば話は別ですが、特段の理由がなければ0.166径をおススメします。

 

ポイント

あまり自信をもって説明できる部分ではないのですが、ポイント重量がドローウェイトや矢速に対して軽すぎると目に見えてグルーピングが荒れます。重くしていくことでグルーピングが小さくなりますが、ある程度の閾値を超えると変化量が少なくなります。サイトが下がるデメリットを考えれば、自分の中で見切りをつけてグルーピングの許容値を見つけると良いでしょう。

  • 40ポンド前半:100グレイン
  • 40ポンド台後半~50ポンド前半:110グレイン
  • 50ポンド台:120グレイン

スパインチャートに従って引き尺に準じた長さのシャフトを使うのであれば、個人的にはこんな感じかなと勝手に思ってます。

これはシャフトの種類や矢尺、スパイン、メーカーによって変わってくるので、一概には言いづらい部分でもあります。

 

羽(ベイン)

コンパウンドで用いられるベインは主にゴムベインとフィルムベインの2種類です。

  • ゴムベインの利点は的面で矢同士が接触したとき、フィルムベインと違って羽が割れずに逸れてくれるので長持ちすることです。欠点として貼り替えが面倒フィルムベインに比べて修正力に欠けるなどといったことがあります。
  • 対してフィルムベインの利点は貼り替えが簡単修正力が強いことです。欠点は頻繁に割れたり、ちぎれたりするので維持に手間がかかります。

どちらも一長一短って感じです。

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手前からXS Wings、AAE MAX 2.0、VaneTec Swift Shield 1.87です。

ゴムベインを使うのであれば2インチ前後のものでいいと思います。50mで射ったとき重すぎず、軽すぎず、ちょうど良い修正力を得られると思います。

フィルムベインは注意が必要でROMのスピンウィングやスパイダーベインのリカーブ用、ガスプロのオリンピックエフィシェントなど軟らかいベインはコンパウンドの高ポンド帯で使うことを想定していないため、羽が負けて十分な修正力が得られない可能性があります。フィルムベインを使うのであれば、スパイダーベインのインビクタスやXS Wings、スピンウィングの黒色などの比較的「パリッと」した硬いベインを使ってください

 

ノック

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上2つがリカーブ用(Sサイズ)、下3つがコンパウンド用(Lサイズ)です。

コンパウンドでは高ポンドに対応するためにリカーブに比べ、ストランド数が多くなっています。そのためリカーブ用のSサイズノック、#1ノックでは小さすぎてストリングにハマりません。

新しくLサイズノックまたはハンタータイプノックを揃えてください。

使用するサービング次第ではハマることもありますが、多分ノックを合わせたほうが手間が少ないと思います。

 

矢尺

リカーブでは大抵は「自分の引き尺=矢尺」になりますが、コンパウンドではクリッカーがないのでレストに載るのであればどんな長さでも大丈夫です。分かりやすく言えばレストブレードの接点から最低で+1インチぐらいの矢の長さがあれば良いかな、と思ってます。

コンパウンドに転向して間もないうちはドローイング時にレストから矢が落ちやすいので、ギリギリの長さで矢を作らずにある程度の余裕持ったほうがいいです。

 

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ただしコンパウンドの矢尺の選択には以下のようなパターンもあります。

フィールド競技などではシャフトが短いほど矢全体の重量が軽くなり、カット量が少なくなるのでサイト調整で有利に働きます。(ポストの配置によって例外があります)

インドアでは最大径に近い、できるだけ硬いスパインを選択したほうがラインカットを狙いやすくなります。これにより「スパインを選択→矢尺を選択」といった普段と逆の順番を取ることがあります。このような場合は通常より長い矢尺を選択することもあります。

通常のアウトドアターゲットで用いる場合はスパインチャートに従って引き尺に準じた矢尺の選択をおススメします。正直、ピーキーなセッティングはチューニングが難しいです...。

 

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オーバードローレスト

ただしルール上「プレッシャーポイントをグリップのピボットポイントから射手側へ60mm以内の位置で用いること」と定められています。そのためオーバードローレストを使用したとしても過度に短い矢のセッティングにすることはできません

 

 

 

今回はこのあたりで終わりにします。