リカーブからコンパウンドに転向したい!でもどうする?②
どうもksです。
やる気が持続しているうちに前回の続きを書きます。
前回です↓
と、その前に前回の補足をします。
アクセル間(軸間)の補足
前回、アクセル間について↓のように書きました。
「それはアクセル間が長いほど弓が安定するからです。」
これ、安定する以外にもアドバンテージがあります。
例えば同じドローレングスで「アクセル間が40インチの弓」と「アクセル間が30インチの弓」があったとします。
この2つの弓をフルドローすると「アクセル間が40インチの弓」に比べて「アクセル間が30インチの弓」はノッキングポイントを中心にストリングが鋭角になります。
鋭角になるとストリングが顔から離れるためアンカーが不安定になります。
またコンパウンドではストリングに挟んで使う「ピープ」という超正確な弦サイトみたいなモノを使うのが一般的です。(詳しくは後述)
鋭角になると目からピープまでの距離が離れるためエイミング中の「狙いやすさ」にも影響が出ます。
アクセル間が極端に短い弓はハンティング向けのことが多いです。
(エントリーモデルもアクセル間が短い場合があります。)
コンパウンドのメインの市場はハンティングです。メーカーのカタログを見てもターゲット向けは半分以下しかありません。
「この弓いいね!欲しいわ!」と思っても実はハンティング寄りの設計だった、なんてこともあるかもしれません。
とまぁ、こんなところで本題に戻ります。
サイト
サイトはリカーブから流用できる可能性があります。
といってもどの部分が流用できるかはメーカーによります。
使用者の多いリカーブサイトはSHIBUYA、AXCEL、WIN&WINあたりでしょうか。
把握している中ではSHIBUYAはULTIMAシリーズのサイトブロックを除いた部分が、AXCELはAchieveシリーズとAXシリーズのサイトピン取り付けブロック以外が流用できます。
何故リカーブサイトをそのままコンパウンドに使えないのでしょう?
コンパウンドでは倍率入りレンズを付けた「スコープ」の使用が許可されています。
このスコープが曲者で取り付けネジが10/32インチなんです。
さてリカーブサイトピンの取り付けネジの太さは~、はい、8/32インチ。
これじゃあリカーブサイトにスコープは付けられません。
コンパウンドの発射時の衝撃はリカーブよりも強いのである程度太さが必要、と考えると仕方ないのかもしれません。
もう一つそのまま流用できない理由があります。
コンパウンドはカムが付いているお陰でフルドロー時のドローウェイトが最大時の2~4割程度になります。
これを「レットオフ」といいますが、これがあるためにフルドロー時にハンドルを少しひねっただけで「トルク」がかかるため地面に対して垂直方向に弓が回転してしまいます。
これを打ち消すためにコンパウンドサイトはサードアクシスと呼ばれる部位の調整ができるようになっています。
主にフィールドのような上下に角度の付いた状態で複数の距離を射つ時に重要になる要素です。これはショップのブログなどで解説していたと思うので気になる人はそちらで確認してください。
コンパウンドサイトはリカーブサイトに比べて少しお値段が張りますがこのあたりがその理由です。
どこが流用できるか今一つ分からず不安な時はコンパウンドサイトを一式揃えたほうが無難です。
スコープ
スコープと聞くと看的用のスポッティングスコープのほうに馴染みがあると思います。
しかし!コンパウンド界でスコープといえばエイミングに使う倍率レンズ入りのものです。
リカーブサイトではオマケでサイトピンが一個付いてくることがありますが、コンパウンドサイトでは付いてきません。
スコープは用途に合わせて様々な商品が展開されています。
それぞれ本体の径、長さ、サンシェード(日よけ)といったオプションの有無、などなど...。
スコープの径は29、30、35mmなどがターゲット用に人気があり、レンズの倍率は4、6倍が一般的です。
そして「倍率は高いほど良い!」というわけではありません。
倍率が高いと必然的にエイミング時に見える範囲は狭まるので、強風などで弓が煽られたときは不利になります。
もう一つの問題として倍率が高くなるとレンズ越しの景色がぼやけることがあります。これはピープにレンズ付きのインサートパーツを付けることで解決できますが、これまたそれなりのお値段です。
レンズの取り付け方にも注意が必要です。
レンズをリテイナーリングで挟み込むようにスコープ本体に取り付けるタイプもあれば、リテイナーリングと一体化したレンズを取り付けるタイプもあります。
レンズは同じメーカーだと径が合えば使えることがありますが、基本的にそれぞれのスコープに合わせて作られているため他モデルに使いまわしはできません。
そしてスコープのレンズは箱から開けた新品の状態では”まっさら”なのでエイミングできません。
大抵は点や円形のシールを貼るか光ファイバーを取り付けます。
シールは別売りで形だけでなく色の種類も多くの展開があり、光ファイバーはスコープにオマケで付いてくるときもあります。
いろいろ試して快適にエイミングできるモノを見つけるしかありません。
ピープ
先に少し紹介した「ピープ」です。
「スコープとピープ」は銃の「照星と照門」と同じ関係です。
スコープの円にピープの円を重ね合わせてエイミングすれば超正確に狙える仕組みです。
ピープも様々な種類がありますが主な違いは内側の径、素材とパーツ交換の可否です。値段がお高い商品は一つ「ピープハウジング」を買うだけで内側に取り付ける「ピープインサート」を入れ替えて適宜、内側の径を変えられます。
しかし、お安い商品だと全て一個のパーツからできているため、径を交換するときはボウプレスに弓をかけて弦をリラックスさせる必要があります。
また前述したようにハウジングとインサートが別になっているピープはレンズ入りのインサートでぼやけてしまうスコープの焦点を合わせられますが、そうでないものはそれができません。
把握している中で一体型ピープでレンズ付きのものは無かったと思います。
ドンピシャリのピープが見つかれば楽ですが見つからなかったときは悲惨なことに...
ここからは超個人的アドバイスです。
最近では「チューブピープ」と呼ばれる前後に長いタイプのピープが販売されています。が、これすっごい調整が面倒です。
本来は「長いピープを使うことでより正確にエイミングできるだろう!」という商品なんですがそれがむしろ問題になります...。
ブレース時にピープをきちんと的方向に向くように取り付けてもドローイング中に回転してしまうことがあります。前後に短いピープなら多少ズレても問題ないのですがチューブピープはそうはいかない。少しでもズレると的が一切見えなくなることもあります。
コンパウンド初心者の方にはおすすめしない商品の一つです(小声)
まぁ、キリがいいので今回はこのへんで終わりにします。