コンパウンドボウのペーパーチューニングにおいて有効な調整方法
どうもksです。
突然ですが今回はコンパウンドボウのペーパーチューニングできれいな穴を開けるにはどのような調整方法が有効か紹介しようと思います。
まぁ、ネットでちょっと調べればすぐ手に入る知識でもあるので記事にする値があるか微妙ですが...。
多分、このやり方をすれば大体チューニングが合わせられるはずです。基本的に超我流なので細かい所は勘弁してください。
そしてチューニングを行うときは確実にボウプレスが必要になります。
ペーパーチューニング
では本題です。
まず、前提として以下のような弓の基本的なチューニングが済んでいることが必要です。
- チューンチャートに合うようにストリング類を調節してあること
- 目標とするドローウェイトがある程度実現されていること
- カムリーンがフルドロー時に垂直であること(ハイブリットカムであればカムタイミングも合わせる)
- レストについて、矢がバーガーホールの中心を通るように上下を、フェイス面から見たときに弦の中心と重なるように左右が合わせてあること
- 4.の位置に合わせたレストに矢を載せたとき、ストリングに対して直角になるようにノキポが作られていること(Dループも取り付ける)
私は基本的にこの順番で下準備を進めます。1.2.3.はそれぞれを合わせようとするとその前の段階で合わせた個所が少しずつズレるので、その都度「2歩進んで1歩戻る」的な作業をします。
4.5.に関しては「チューニングの出発点」を作るための作業なので、そんなに必死になって合わせなくても大丈夫です。チューニングを合わせる過程で都度、作り直したりします。
レストブレードは立ちすぎず、寝すぎずの角度になるようにセットします。厚さも使う矢の重量に合わせて選んでください。
これらが済んだらサイトやスコープを取り付けて、自分のアンカーと目の位置に合わせてピープを挟み込みます。(その時にまたストリングを調節する必要があるかもしれません...。)
あとチューニングに影響が出るので、ちゃんとスタビ類も付けてください。
またそれ以外に
- スパインチャートに従い、ドローウェイトに合わせて制作した矢が手元にあること
- 射手にシューティングの技能が一定程度有り、射型の再現性があること
ちょっとアレな言い方ですが始めたばかりの初心者がペーパーチューニングをやっても効果が薄いので、その時間を使って練習したほうがいいと思います。
まぁ、リカーブに比べたら初心者でも合わせやすいので暇な人は勉強がてらやってみてもいいかもしれません。
それではいざ実射!
ペーパーチューニングをするときは「放った矢が最も荒れて飛ぶ位置」に紙が置いてあるようにしてください。適当にシューティングラインを少しずつ前後させてみるといいと思います。穴が最もズレて開く位置が良いです。
空いた穴の形を見る訳ですが、私は上下左右にズレたとき以下のことを試します。
・穴が上下にズレたとき
- カムタイミングまたはカムのスタートポジションが合っていない可能性があるのでストリング類を確認する。
- ノッキングポイントを穴が開いた方向と同じ向きに動かして作り直す。(穴のポイント先が上に向いた場合はノキポを最初より上側に作る)
・穴が左右にズレたとき
- グリップに余計なトルクが加わっている可能性があるので押し方を変える。
- リムボルトを回してドローウェイトを少しずつ変えてみる。
- 手持ちの色々なスパインの矢を射ち比べる。
- カムの左右位置またはリムポケットの位置を変える。(PSEのLASシステム、ELITEのS.E.Tテクノロジーなど)
- カムリーンを変える。
こんな感じです。
上下のズレは大体ノキポで合わせられると思います。
左右に関しては上記の順番で試してみます。スパインチャートに従って矢を作ったとしても、矢速の関係などでドローウェイトに対して微妙に硬さが合わないことがあるのでそこはリムボルトで合わせます。
どうしても目標ドローウェイトから変更したくない場合は少しずつシャフトを切って合わせることもあります。(切ると矢の実質スパインが硬くなるので高いドローウェイトに対応できる)ただし2度と伸ばすことはできないのでよく検討してから行ったほうがいいです。
カムの左右位置に関してはHOYTやLASシステムを搭載してないPSEの弓などでは、リムとカムの間に挟んであるワッシャーを左右で入れ替えたり、厚みが違うものを用意して調整します。最近のMathewsの弓ではTOPHATキットで調整します。
可動式のケーブルガードを備えている弓の場合
弓の種類によってはケーブルガードを調整することで合わせられる場合もあります。ケーブルガードは4.の時に調整したほうがいいと思います。フルドロー時にケーブルスライダーが矢に近づくことで、ドローイング時のケーブルの移動によるハンドルの縦軸を中心とした回転が抑えられるので改善が期待できます。(右射ちであれば弓を頭の真上から見たとき、ドローイング時にハンドルが時計回りに回転している)付随して、リリース後のストリングの左右ブレも軽減される可能性があります。
参考動画↓
ここまでやって改善されなかった場合はカムリーンを変えるしかないと思います。と言ってもカムリーンを変えられる弓だけですが...。
個人的にはフルドロー時にカムがストリングと平行になっている状態が望ましいと考えています。しかしそれでも合わせられないのであれば、フルドロー時にフェイス面から見たときケーブルガードが付いている側と逆向きにカムの頂点が傾いているように(右射ちならカムの頂点が左、左射ちならカムの頂点が右)ヨークケーブルをセットしてみてください。
ドローイング時にケーブルスライダーが動くことによってカムはケーブルガード側に引っ張られるため、ペーパーチューニングの結果に悪影響を与える可能性があります。上記のようなヨークセッティングをすることで改善されるケースもあるので、やってみる価値はあると思います。
ここまでを読んで「んん?」と思われるかもしれませんが、私は基本的にペーパーチューニングでレストの上下左右位置を変えません。最初は必死にレストをいじってたこともありましたが、経験則から言うとあまり意味がないと思います。
ナゼー?
肝心なのはおそらく「矢を押し出すストリングがグリップに対してどこの位置にあるか」です。私は自称感覚派アーチャーなので詳しい理論の説明はできませんが、この一言に尽きると思います。
ペーパーチューニングを合わせた後にウォークバックチューニングでレストの左右位置を調整してます。
ウォークバックチューニングに関して詳しいことは↓の動画を見てください。
(リヴァイ・モーガン先輩、かっけーっす)
最後にこんなことを書くのもアレですが、注意しなければいけないのは「きれいな穴が開く=点数が出る」ではないことです。
これらのチューニングはシューティング時のミスに対して弓の動作を寛容にするための作業であり、点数を保証するものではありません。